『医療費控除の領収書って誰の分まで入れていいんでしょうか?』
こんな質問がこの時期には聞かれる事があります。
↑彼?の医療は集計してもいいですか?
みなさん感覚的に扶養してる家族分はいいのかなーって考えている方が多いように感じます。
実際のところはどうなのでしょう?
Contents
医療費控除とは?
まずは簡単に医療費控除の確認をしましょう。
※医療費控除の特例についてはこちら→『セルフメディケーション税制を確認してみましょう。』
医療費控除は所得控除というものになります。
※所得控除の考え方はこちら→『所得控除と税額控除の確認。』
【計算はこんな感じ】
■医療費の合計額ー①ー10万円②=医療費控除の額(最高200万円)
①保険金などで補填される金額
②その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額
では、このそもそも医療費の合計額って誰の分まで集計していいのでしょう?
誰の分まで入れる事が出来るのか。
簡単に言えば一緒に住んでる家族の分は入れてOKです☆
でもこんなの誰でもわかるので、もうちょっと細かく見てみましょう。
法律にはこう書いてある。
これ法律に書いてあるんです。
所得税法ってものの73条ってとこに。
居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合において、その年中に支払つた当該医療費の金額(保険金、損害賠償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。)の合計額が・・・・
(所得税法73条①より一部抜粋)
自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費
って書いてありますよね。これです。
生計を一にするってなんでしょう?
またよくわからない言葉が出てきましたね。
『生計を一にする』・・・・。
なんとなく一緒に生活してるって感じっぽいですよね。
これはまた基本通達ってことに記載があります。
(生計を一にするの意義)
2-47 法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではないから、次のような場合には、それぞれ次による。
(1) 勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。
イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとで起居を共にすることを常例としている場合
ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合
(2) 親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。(国税庁HPより)
(所得税基本通達2-47)
うーんぱっと見てもよく分からないですね。
分かりやすくすると、
(1)
イ 学生の一人暮らしとか単身赴任で離れて暮らしてても、休みの時は一緒に暮らしてる。
ロ 生活費や学費などの仕送りをしてる。
(2)同居してる親族で、生活が完全に別々でなければ、OK。
っといった内容になります。
まとめて簡単なことばにすると
『自己』→自分
又は
『自己と生計を一にする配偶者その他の親族』→自分と一緒に生活してる配偶者、親族
に係る医療費は自分の確定申告で集計して医療費控除できるよーってことです。
収入の多い少ないは関係ない
よく見ると、どこにも『収入が多い配偶者の分は除く』
とかの記載がないのです。
ですから、子供や配偶者の方が扶養から外れていても、
生計を一にする親族に該当すれば、一緒に集計しても大丈夫となります。
具体的に考えてみましょう。
Aさんが仕送りをしている一人暮らしをしている大学生の息子の医療費。
→Aさんの医療費控除の集計に入れてOK。
※仕送りをしているので、離れて暮らしてても「生計を一」に該当しますね。
一緒に住んでいる共働きのAさん(年収900万)とBさん(年収500万)夫婦のそれぞれの医療費。
→どちらの医療費として集計してもOK。
※「生計を一」の条件に収入などの要件はないので。
※この時は所得税の税率が高い方(通常だとAさん)で医療費控除を行った方が有利になります。
最後に
医療控除は扶養でなくても、集計できますので
「生計を一」の判断は難しいとこもありますが、
分かりやすい仕送りをしている子供の分などは
忘れずに集計していきましょう。
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【きょうのひとこと日記】
なにやら腰が痛いです。
ストレッチをして腰痛改善をこころがけてみます・・・。
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